2025年6月6日(金)
学術会議解体法案
自主性奪う会員選考
参院委 井上氏「外部が介入」
![]() (写真)質問する井上哲士議員=5日、参院内閣委 |
日本共産党の井上哲士議員は5日の参院内閣委員会で、日本学術会議解体法案の規定する会員選考方法について、外部者が介入し同会議の自主性・自律性を奪うものだと批判しました。
法案は首相任命の監事や、外部者でつくる選定助言委員会などを新設。同委員会が、会員選定方針案に意見を述べるほか、学術会議会員で構成される委員会からの「諮問に応じて」候補者選定にも意見するとされています。
井上氏が学術会議が選定助言委員会に全く諮問しなかった場合の対応を追及したのに対し、坂井学・内閣府担当相は「法の定めにのっとった手続きが行われていないのであれば、監査の対象になり得る」と答弁。これは、外部者による会員選考への介入の圧力となるものです。
現在の学術会議の会員選考方法について光石衛・学術会議会長は「説明責任を強化し、学術分野、男女比、地域バランスなど会員構成の多様化を図っている」と主張。総会で決定した選定方針を公表していると説明しました。
井上氏は「政府に求められるのは学術会議の自主的な取り組みを尊重することであって、選定助言委員会など学術会議が求めてもいないことを盛り込むこと自体、自主性を奪うことだ」と批判しました。
法案ではさらに新法人発足時と発足3年後に特別な会員選考の方法を導入。特別な選考委員会のメンバーは外部者が想定され、「首相が指定するもの」と協議の上で会長が任命します。
これに対し光石会長は、現会員が次期会員を選ぶ通常の方式ではなく「現行学術会議との分断を企図している」との強い懸念が会員にあると強調。井上氏は「特別な選考方法は、学術会議が積み重ねてきた科学者コミュニティーとの連携を壊す」と指摘しました。