しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年6月4日(水)

MMTで高インフレ

大門氏が危険性を指摘

参院財金委

写真

(写真)質問する大門実紀史議員=3日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は3日の参院財政金融委員会で、参院選前に消費税減税などの経済政策の財源論が焦点となるなか、赤字国債を発行して日本銀行に引き受けさせ、さらに財政支出を増やすべきだとの主張の背景にある「現代貨幣理論」(MMT)は「現実に適用することは困難だ」と指摘しました。

 MMTとは、通貨発行権を持っている日本政府は円建ての国債の返済不能(デフォルト)に陥ることはなく、赤字国債が増えても問題はないとする理論です。

 大門氏は、日銀が2013年から続けてきた「異次元の金融緩和」はMMTの実践だったのかと質問。植田和男日銀総裁は「大規模な金融緩和は2%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現する観点から実施してきた」として否定しました。大門氏は、黒田東彦前日銀総裁が10年間進めてきた金融政策で「実際に行ってきたことはMMTの手法と変わらない。しかし、国民の暮らしは良くならなかった」と指摘しました。

 大門氏は、MMT支持者が「インフレになっても売りオペ(日銀が国債を売り通貨を回収すること)や増税で抑制できる」と主張しているが、現実には高インフレがいったん起きると簡単には抑えられないと主張。植田総裁も「物価安定の目標を大幅に上回る物価上昇率が社会に定着すると、物価上昇率を下げるために非常に緊縮的な財政金融政策が必要になる」と述べました。

 大門氏は、MMTには「利ざやを求めて一瞬で何十兆円も動かす貪欲な投機マネーの世界が各国の国債をターゲットにしてきたことが視野に入っていない」と指摘。植田総裁は、「政府が中長期的な財政健全化について市場の信認を確保し、日銀が物価安定のために金融政策を運営することが極めて重要だ」と答えました。


pageup