2025年5月28日(水)
下村氏、還流再開決めず
田村貴昭氏「真実語らず」と追及
衆院予算委参考人質疑
![]() (写真)質問する田村貴昭議員=27日、衆院予算委 |
自民党派閥の裏金事件を巡り衆院予算委員会は27日、旧安倍派幹部の下村博文元政調会長(前衆院議員)を参考人招致し、質疑を行いました。下村氏は、焦点となっている2022年8月の旧安倍派幹部会合ではパーティー券販売ノルマ超過分の還流再開を決めていないと改めて強調。同会合で派内の議員から還流再開の要望があると発言したと明らかにしましたが、再開が決まったとの会計責任者の証言については「認識の齟齬(そご)だ」と主張しました。
還流中止を指示した安倍晋三元首相死去後に開かれた8月の会合には、幹部の下村、西村康稔、塩谷立、世耕弘成の各氏と会計責任者の松本淳一郎氏が出席。塩谷、松本両氏はこの会合で還流再開を決定したとしており、他3氏の証言と食い違っています。
松本氏は、2月の衆院予算委の参考人聴取で「今は現職でない」幹部から22年7月に再開を求められたと明言。この発言に関し下村氏は、派内の議員から還付を求める声があがっていると松本氏と安倍元首相に6月下旬以降に電話で伝えたが「再開を求めたものではない」と弁明しました。
日本共産党の田村貴昭議員は、下村氏は昨年3月に出席した政治倫理審査会で「真実を語っていない」と追及。下村氏は政倫審後に開かれた自身の後援組織の会合で、「少なくとも1999年から2005年の森喜朗氏が会長だった時代に(還流システムの)スキームを作ってやっていたと認識している」と発言したことが報じられています。
田村氏は、下村氏がこの会合で「国会で(検察と話したことと)違うことを話したら、私はもう一度、調査・聴取されますから」などと語っていると指摘。下村氏が「森氏の関与を直接承知していない」と弁明したのに対し、保身のために森氏の関与を国会で証言しなかったのではと批判し、森氏と塩谷氏の国会招致は「不可欠だ」と強調しました。